26年間で8,400名以上の男性高年期やEDに関する相談・指導実績を持つプロフェッショナルとして、私は「勃起力が落ちたのは年齢のせい」と決めつける前にED改善のため酸化ストレスを抑える視点を持つよう勧めています。酸化ストレスは体内で増えすぎた活性酸素が細胞を傷つける状態で、血管の弾力を奪い、陰茎海綿体への血流を阻害する主要因の一つです。
酸化ストレスを抑えることがED改善にどう結びつくのか
活性酸素が血管内皮を傷つけるメカニズム
本来、活性酸素は免疫の一部として細菌を排除する働きをします。しかし睡眠不足や過剰な飲酒・喫煙、加工食品中心の食生活が続くと過剰産生を招きます。結果として一酸化窒素(NO)の生成が妨げられ、血管拡張が不十分となり勃起維持力が低下します。
抗酸化物質を含む食品と具体的な摂取目安
ED 改善 酸化ストレスのカギは抗酸化栄養素の継続摂取です。ビタミンEが豊富なアーモンドは1日20粒程度、ポリフェノールが多いドークチョコレートは1日に25g前後が目安。さらにリコピンを含むトマトや、グルタチオン産生を助けるブロッコリーを副菜に加えるとバランスが整います。
生活習慣でできる酸化ストレス対策
週3日の筋トレと有酸素運動を組み合わせると、体内の抗酸化酵素(SODやカタラーゼ)が活性化します。また、カフェインの取りすぎは交感神経を過度に刺激して活性酸素を増やすため、1日2杯までに抑えるのが無難です。当社の指導プログラムを受けた方の平均IIEF-5スコアが+5ポイント改善した実績がありますが、その多くが「睡眠7時間確保」と「抗酸化食材+適度な運動」というシンプルな習慣を徹底しました。
さらに、喫煙は血管内皮を直接傷つける最大のリスク要因の一つ。禁煙補助ガムやアプリを活用し、まずは1週間の“休煙チャレンジ”を試みると酸化ストレスマーカー(MDAや8-OHdG)の数値が下がるケースが報告されています。
編集長の考察――酸化ストレス対策は“足し算”ではなく“引き算”も大切です。言い換えれば、抗酸化サプリを飲む前に、まず活性酸素を生む習慣を減らすことが近道。スマホを寝室に持ち込まず、夜23時までに就寝するだけで、翌日の活力が大きく変わります。
体内の錆びつきを防ぐことは、見た目の若々しさも保つ一石二鳥の戦略です。本日からトマトジュース1杯、就寝前のスマホ断ち、そして週3回の短時間トレーニングという三本柱を実践し、2週間後に朝のコンディションを比べてみてください。
参考文献: Esposito K, et al. “Effect of lifestyle changes on erectile dysfunction in obese men: a randomized controlled trial.” JAMA. 2004. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14734597/
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